歩道橋

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俺はもたれ掛かっているビルの壁からズルズルと滑り落ち、地べたにうずくまった。 「ハアハア。」呼吸の乱れが治まらない。 目を閉じた。 同期だった龍也の声が甦る 「お前、何考えてるんだ。突然警察官辞めたと思ったらヤクザなんかになりやがって。 お前の組に組織的な覚せい剤の取引容疑がかかってるんやぞ。必ず尻尾を捕まえてやるからな。 さっさと足洗え。」 警視庁の同期だった龍也とは、厳しい警察学校時代を乗り越え、二人で刑事になる夢を追いかけた。 「真ちゃん、大丈夫?」 「お巡り、おらんかったか?」 「見てないよ。何があったの?」 「何もないさ。」 「真ちゃんお酒臭い。もう飲まない約束だったじゃない。頑張って小説書いて、ヤクザ辞めるって言ったじゃない。」 たくし上げたシャツの上から、掴んだ腕をグイグイおし続けてくる。 「凛子はどうしてる?」 「お姉ちゃんには黙って来た。言えるわけないじゃない。」
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