エーデルワイズとプーム

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話したくなければ別にいい。気になって仕方が無くなるようなことを話したままのあなたを恨めしく思うだけだもの。 それは嫌だな。 その人はどんな人? 彼女はとても変わった旅をする人かもしれない。 変わった旅? そう、変わった旅。女性の一人旅なんてものは観光や小旅行に関わらずなにかしら危険が伴うもの。 そうであるとは限らないけど、まあリスクは高いかもね。他の誰よりも。 また彼女のそれは本物の旅になる。 本物の旅・・、なんとなくどういったことを言っているかわかる気がするけどでも確かにそう聞くと変わっていると言えなくも無いわね。旅行なんてものよりずっと過酷で命を落とす機会は多いもの。 言ったのはそこじゃないさ。変わっているのは彼女のその旅になる。 そう。ならもったいぶらないで。それはどんなふうに?あなただけじゃなく私から見たってそう思えるものなのでしょう?それは。 彼女も元々は普通の生活をしていた人なんだ。巨大な都市の片隅のどこか小さな部屋でせせこましく寝泊まりしながら毎日仕事をしてそして 休日があったなら寝て過ごしたり。でも私としては彼女が都市でどのような生活をしていたかなんてどうでもよく。彼女が本物の旅をすることになったその直接的な要因についてを簡潔に述べて欲しいものだわね 聞くに。 ええ聞くに。 彼女は夢を見るらしい。 夢?それはどちらのものか言ってくれない?。 こうして聞かれる前に? ええ。でもあえて言うほどのこと?夢なら誰しもがそのどちらもを見ているわ。毎日。たぶん。 彼女が見る夢は意識を失った時に見るもののことを言ってのことだが、聞いたところによれば彼女は人並みに数々の夢を見て来ている。 そうでしょうね。それで? その夢々の中に登場するいろいろな人達の中、ひとり気になる人物がいる。 気になる人?それは男性ということ? そうかもしれないが彼女が気になった理由を言うならばそういうことじゃない。 どういったものかしら。
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