酷くなる彼女の性格 3 繰り返す誰かの夢

エーデルワイズとプーム

わからないけどね。そうかもしれない。あなたはどう思う？
人はなにかしら熱中できるものをいつの時も探していたりするものさ。
また希望というものを人は求めるもの。希望や期待、それがある内なら人は幸せを感じることが出来ると聞いたことがあるわ。そのせいでとても苦しむことにもなるけど。でも彼女にとってはそれがそういた事だったのでしょうね。
それからの彼女においては、何をそのの行動や言動はすべてその目的につながって行く。どんな苦労も、苦難も恋も。
恋も？
彼女は旅先でとある男性と交際していたようだ。
その恋もまた彼女にとってはするべき経験のうちの一つと。なんだかあれだわね。
相手に同情するなら大丈夫だと思うよ。その男性もまた彼女のそういった事情や目的を知ってそうしたとのことだから。
そうなの？・・まあ良しとしましょう。そんな風にして彼の夢を展開させて行くことで彼女は何を期待したかと言えばそうね。初めの言葉があるのね。彼女は彼に会おうとしていたと。
そう。既に君はあることに感づいているかもしれないしそうでないかもしれない。
なにを？それは私が感づいていいこと？
そうであるかもしれないしそうでないかもしれない。
どっちなのよ。私は何を悟ればいいわけ？
彼女は自身が見る彼の夢、その中に自彼女自身はいないんだ。
自分がいない？自分の見る夢なのに？
それはあくまで彼の夢。だから彼の夢を展開させ、その場面や状況を増やし進めていく。
そこに期待するのは、いいえ、彼女が願っていたのは自身の登場なのね。その夢に自分が出てこないから。
そうしたかったのは、
夢の中で彼と会いたかったから。わかるわ。会いたいその想いの根拠だって。彼女は例によって彼を知らないの。でも夢の中で彼のことはずっと見て来ているでしょう？彼女は確かめてみたかったのよ。
確かめる？
わかるでしょう？彼女は彼の前に姿を現すことで、彼女を見た彼がどんな反応を、どんな表情をするものか知りたかったの。
彼が自分のことを知っているものと彼女は思ったのだろうか？
ええ。だって彼女の夢にずっと出続けた人よ？きっとそうだわ。彼女が、自分が知らないことがおかしいだけ。
彼女はそう考えたんだね。
そう。でも旅を始めてすることになった色々な経験ね。彼女はどんなものを見てそして出来事に出会って来たものかしら？日常を捨ててまで手に入れたそれらというのは。