エーデルワイズとプーム

8/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
あったんだけどいつしか、いつの間にかそんな人になってしまっていたと聞く?何かあったのかしらね。病気を疑ってもいいもの?別に貶める意味でなく純粋に可能性の一つとして。そういうことってよくあることではあるかもしれないと私は思うもの。人の心はすぐにバランスを崩してしまうものだし、頭に関する物理的な不具合によってもそうなることはある。血管が詰まったり神経が変に接続されてしまったり。人に関する何かしらのトラブルはそういったことが原因であるケースが殆どすべて。病気のせいで孤独になってしまった人達を思うと不憫だわ。 人は頭に病気を抱えない限り果てしなく善人で問題を起こすことは全くないと。 そういうものだと信じたい私。それを興味のない顔で見るあなた。 だが彼女はどうやら病気ではないようだしそれに孤独ではないさ。彼女には姉となる人がいてね、彼女は最後までその人に諦められることは無かったし、旅に出る直前まで二人で一緒同じ部屋に住んでいたんだ。 彼女が悪いのはその人の影響? いいや、彼女はできた人でね。周囲からは慕われる人格を備え、立派な職業にもついていた人。 立派な?どんな? どうやらそれは周囲の人間たちだけは知っていたがそれ以外には秘密にされていたことらしい。防犯やそういった面があるのかもしれない。 とにかく人から尊敬される肩書きの役職を持っていたと。でもね、そういう人って裏の顔までは知られていないものよ。 それはどうだと? 表では清く正しく素晴らしい人を装いつつ、実のところ本当に性悪なの。 その本当の内面は妹にしか見せなかった? 真実を知ったなら彼女がそうなってしまうのももっともだと誰もが納得し同情してしまうものなのよ。 もしそうならね。だがその姉なる人物はそんな人じゃないさ。あくまでその人は彼女にとって心安らげる人。 どうしてそうわかるのよ。 その人はそうだからさ。 そうかしら?その人っていうのが甘やかし過ぎたのじゃないの? どうだろうね。 違う気がするのね、あなたはきっと。いいえ、そう知っているのよ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加