オークション会場の13人

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 どうぞ、主よ。神の名に泥を塗った、悪魔よりも憎きわたくしをなんなりと罰してくださいませ。    しかし、待ってください。貴方は他の方々と違い、まだらっしゃる。これも一体全体どうしたことです? お招きした皆様方は(ことごと)く絶命しておられますというのに。    そして死体は十二。例え貴方様が誰かの代理で来られたのだとしても命はなかったことでしょう。何しろ、わたくしの計画は成功していたのですから。もし計画が失敗していたのであるならば、十二人の方達は死んではおりますまい。するともしや、計画は成功し神の()心によって、この方々はお亡くなりになったのではありますまいか。ならば、ならばでございますよ。するともしや貴方様こそが、わたくしの主、ご主人様でありませんか? 使徒などに拠った聖書などと言う紛い物ではなく、神自らが著され、わたくしに本を与えてくださった御方、未来を見通し我々に安息を与えて下さる御方、わたくしのご主人様であらせられましょう。  十二人の豊満なる貧者を御捧げいたしました。最後のひとり、十三人目は豊満なる貧者でありながら裏切り者でもある。わたくしが最適な贈り物でございます。さぁどうぞ、お受け取り下さい。 〈了〉
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