O-side-

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その日の研修が終わり、ホテルに帰ってきた。すると、彼女がロビーにいた。ホテルマンから部屋の鍵と朝と昼のお食事券を手に入れたのか、そそくさとエレベーターに乗った。なんだか急いでいたなぁ。あの子。くらいに思いつつ、遅れて俺も部屋の鍵とお食事券を手に入れ、エレベータに乗ろうとした。  エレベーターの前で頭の上のエレベーターの表示を眺めている。・・・あれ?俺が泊っている部屋の階・・・7という数字が頭の上で光っている。それはすぐに光を失い、1階に向かって、規則正しく降りてくる。軽快な音とともに、扉が開き、エレベーターに乗り込んだ。自分がいる部屋、7のボタンを押し、また規則正しく上っていく数字を眺めていた。  はたまた軽快な音とともに、扉が開いた。そして、自分の部屋へと向かった。ただ差し込む式の鍵を突っ込み、用が済んだとでもいうように鍵を引き抜き、吸い込まれるように部屋に入った。 「疲れた~」  ベットに顔を埋め、掃除のおばちゃんか誰かに取り換えられたシーツのにおいを嗅ぐ。当然無臭なのだが、清潔なこの感じが何となく好きでついついやってしまう。 溜息をつきながら、首を絞めつけていたネクタイを解き、堅苦しいシーツを脱ぎ捨てた。これだけでもかなりの解放感だ。だがそれだけでは足らず、下着以外すべて脱ぎ捨て、普段着に着替える。これからご飯も食べに行かなくてはならない・・・。ジーンズっぽい長そでのシャツに、これまたジーンズ。シンプルかつ清潔な感じ。俺は元からこういう服が好きだ。妻にはもう少し洒落たの着たら?と言われるけど、俺はこんな感じじゃないと落ち着かない。  鏡をみて軽く身なりを整え、部屋を出るのかと思うと溜息をつき、またベットに腰を掛けてしまった。その理由は一つ、単純に面倒くさい。2階に行くまでが面倒くさい。人って案外こういうものではないだろうか。案外”ナマケモノ”みたいなところがあると僕は思う。俺はそんな”ナマケモノ”の代表格であると思う。代表になってはいけない代表だが・・・。     
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