O-side-

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   こうして居酒屋でも彼女を見つけてしまうとやっぱり見てしまう。そらしても、やっぱり、見てしまう。なぜかは分からない。でもいつも彼女は気づかない。  それをいいことに一週間も見続けた。でも・・・今日は、目があってしまった・・・。初めてだ。小心者の俺には少々スリルだった。びっくりした。けど・・・やめられない。 「・・・真治?」 「ん?どした?メニュー決まった?」 同僚にも焦りを感じさせないよう何とか誤魔化した。 「おう!決まった!うどんカレーに!」 「カレーうどんの言い方も違うんか」 バカで助かる。バレずに済んだ。正直ほっとした。  その後、俺よりかは”おつむ”が少し足りない、共に研修をしている奴らと楽しく会食し、お腹を満たした。彼女達は気付けばいなくなっていた。正直少しヘコむ。けど、俺は、できれば彼女と会食の一つくらいしてから、このスリルのないホテル暮らしをスリルで締めくくりたい。そんな妄想をしながら、食事を終え、安らぎを求め、自分の部屋に飛び込むかのように、エレベーターに飛び込んだ。  しかし、その日のよるは俺の妄想を現実へと変える日となってしまう。  やはり彼女の魅力は禁断の果実のようなものなのだろうか。  この出来事を予測するのは、俺の”おつむ”でも容易なものではなかった・・・。
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