第二章 スクールディズ

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高校前の駅で降りると、海からの風が吹いていた。 学校への坂道を上りながら、やたらと視線を感じて落ち着かない。 みんなが私たちを見て、こそこそ話しているみたいだ。 碧樹は何も気が付かないみたいで、急に立ち止まって海を見たりしている。 自分がこんなに目立つ存在だってこと、わかってないのかな。 「碧樹、先に行くよ」 私はいたたまれなくなって、高校の門に走りこんだ。 ここまで来ればもう遅刻はないでしょ。 自分の下駄箱に行くと、理恵が待っていた。 「おはよー、理恵」 「おはよ、春陽。今日は一人なの?」 「ううん、そこまで一緒だったけど、置いてきちゃった。行こ」 理恵は高校からの友達で、今年も同じクラスになった一番の仲良し。 すらっと背が高くて、大人っぽい綺麗な子だ。 最初は近寄りがたい雰囲気だったけど、体育の時間にバドミントンでペアになった時、お互い本気で勝ちに行って、ぶっちぎりで勝ち抜いてしまった。 体育を真剣にやらない女子が多い中、運動大好きの私たちは意気投合した。 それからは何でも話せる友達になった。 二年からクラスが理系と文系に分かれたせいで、碧樹と別々のクラスになってしまった時も、たくさん話を聞いてくれた。 私の事を「春陽」と名前で呼ぶのは理恵だけだ。 家族も碧樹もみんな「ハル」と呼ぶので、なんだか新鮮で嬉しい。
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