第二章 スクールディズ

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教室へ移動してからも、私たちのおしゃべりは続く。 「この週末は予定あるの?」 「うん。碧樹とお花見行くんだ」 「へえ、どこに?」 「八幡様の源氏池とか、源氏山公園とか?ぶらぶらすると思う」 「お弁当持って?」 「もちろん!」 「休みの日までよくやるねぇ」 「まぁね。時間あるから平日には作れないもの作れるし」 「ふぅん、でも週末雨みたいだよ」 「えっマジ?週間予報変わったんだ」 そこで慌ててスマホのお天気アプリを立ち上げた。 土曜日から日曜日の午前中に掛けて傘マークがついている。 「ほんとだぁ。この雨で桜終わっちゃうね」 「うん。私もサーフィン行く予定だったのにな」 理恵はサーファーだ。 鎌倉で生まれ育った私でも、サーファーの友達は理恵が初めてだった。 一年中小麦色に焼けた肌と、明るい茶色のストレートロングヘア。 制服のリボンを付けずにシャツのボタンを二つ外した襟元には、チェーンのネックレスが光っている。年上の彼氏からのプレゼントだ。
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