第二章 スクールディズ

5/10
前へ
/478ページ
次へ
「今日はこんなにいい天気なのにね」 教室の窓からは明るい日差しが入って眩しいくらいだった。 「こんな日は紫外線がきついんだよねー、あ、そうだ」 確か今日は碧樹のクラスは体育があったはず。 何時間目だったか飛鳥ちゃんに聞いておこう。 飛鳥ちゃんは理恵と同じ中学出身で、理恵を通じて仲良くなった友達だ。 小柄で眼鏡を掛けた飛鳥ちゃんは知的な雰囲気を持つリケジョで、今年から碧樹と同じクラスになり、今は隣の席に座っている。 いいなぁ。 隣の席なら一日中碧樹を見ていられる。 教科書を忘れたら見せてあげられるし、授業中寝てたりしたら、横から袖を引っ張って起こしてあげられる。 この前飛鳥ちゃんがこっそり撮って送ってくれた、碧樹が机につっぷして寝ている写真を見ながら私はため息を吐く。 碧樹とクラスが別れたのは初めてだった。 理系と文系っていうだけで、間に四つも教室がある距離に離されてしまった。 もう高校二年生なんだし、私が傍にいなくても大丈夫。 そう自分に言い聞かせても心配で仕方ない。 私は飛鳥ちゃんにラインを送った。
/478ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加