第四章 球技大会

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『ただいま』 碧樹だ! 『おかえり。楽しかった?』 『最高』 『たんこぶ、どう?』 ここで、ちょっと間があった。 頭に手をやって確かめている図を想像する。 『もう大丈夫。明日は安心して打ち上げ行って来て。おやすみ』 ほんとかな。無理してないかな。 だけど本人がそう言う以上、私が付いていると言い張るのもおかしいか。 『わかった。そうするね。おやすみ』 仕方なくそう送って、寝ているクマのスタンプを送信。 これで今日の会話は終了。 明日の朝、また具合はどう?って送ってみようか。 それとも直接顔を見に…。 そこまで考えて、碧樹に言われた『過保護』という言葉を思い出して、その意味を噛みしめた。 過保護?そうかなぁ。 もしも私が碧樹のお母さんだったら、心配して当然じゃない? サッカーの試合中に頭をぶつけて、脳震盪を起こしたんだよ? 「モンスターペアレントだったら、学校に怒鳴り込んでるよねぇ?」 思わず口に出してから、やっぱり私は過保護かなぁと考える。 そして、碧樹の反応も思い起こした。 子供が親に向かって『過保護はやめて、放っておいて』と言う時。 それってもしかして… 「あ、反抗期?」 そうか、そうかもしれない。 「反抗期」ってどんなもの? 私は迷わず検察を始めた。
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