第一章 おはよう

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午前五時。 私の一日が始まった。 急いで制服に着替えると、汚れないようにエプロンをする。 今日のメニューは、鳥の唐揚げと、かぼちゃの煮物と、人参のグラッセ。 タイマーで炊き上がったご飯は、先によそって冷ましておく。 昨日の夜に煮たかぼちゃは、よく味がしみているけど、ちょっと煮崩れちゃったな。 良いところを選んで入れなくちゃ。 下味をつけておいた鶏肉は、粉をまぶして揚げた。 人参は面取りしてから、バターとコンソメで甘く煮て。 問題は、玉子焼きなの。今日はどうしよう? ちょっと甘さをひかえて、ソーセージを巻いてみようか。 うん、これならいいかも。きれいにできた。 彩りで迷うのは緑。 あんまり好きじゃないの知ってるけど、今日はほうれん草とエノキのソテーで。 全て作り終わってお皿に乗せたら、冷ましている間に支度をしなくちゃ。 キッチンでバタバタしている間に、ママが起きてきた。 「おはよう、ハル。今日も美味しそうね」 「ほんと?ママも食べる?かぼちゃの残りならあるけど」 「そう?じゃあ頂こうかな」 「私、支度してくるから、朝ごはんお願い」 「はいはい」
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