第十四章 未来へ

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「うん、それそれ。八幡様に行った帰りにそのスバラシイエピソードを思い出してさ。これは絶対御利益あると思って」 「何でよ」 「だってさ、ハルが生まれる前に安産祈願したお寺なんだよ。生まれた後もきっと責任を持ってハルを守ってくれてるよ」 「なるほどね。そうなると私は相当いろんな方面から守られていたんだね」 「そうだよ。うちの仏壇にも毎日手を合わせてくれたし、いっぱいお参りしといて良かったな。今度一緒にお礼参りに行こう」 「うん。絶対行こう」 海で溺れて三週間も意識がなかった私は、きっともう神社仏閣に祈る意外にみんなができることはなかったんだろうと想像するとせつなくなる。 もし立場が逆だったら私もそうするだろうと思う。 鎌倉の神社仏閣どころか、四国のお遍路でも、伊勢でも出雲でも… 御利益のありそうな場所はどこへでも行くだろう。
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