第十四章 未来へ

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そして碧樹は言った。 とても魅力的なプランBを。 「うちの離れと庭を改装してさ、古民家カフェを開くのはどう?」 「えっ!碧樹んちで?」 「そう。ハルが得意の卵料理とかパンケーキとか、俺が好きなフレンチトーストとか出してさ。夏はパフェとかき氷ね。あ、カロリー計算したヘルシーメニューでもいいな」 その言葉にどきっとした。 「カロリー計算…ってなんで知ってるの?」 「いや、何にも知らないけど?」 私はすぐに生意気な妹の顔を思い浮かべて言った。 「…ナツだな。あいつめ。でもそれいいね、やりたい!碧樹んちで古民家カフェ」 「だろ?歯医者からお客さんが流れる仕組みだよ」 「サイコーだね。また虫歯になっちゃう」 「そ。無限ループ」 ふざけた口調が楽しくて、二人で笑い合った。 「そして、プランC」 「まだあるの?」 怒涛の展開に思わず胸を押さえながら聞く。 「あるよ。海辺で、サーフショップを開く」 「えーーー!すごーい」 「俺は、インストラクターの資格と、ライフガードのライセンスを取って、鎌倉の海の安全を守る」 碧樹が昔観たテレビのヒーローみたいなポーズを作って言うので、私は両手を叩いてその案を称えた。
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