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「いやでも真面目な話、さ」
「うん」
「俺たちはまだまだ若くて、やろうと思えばなんだって出来ると思うんだよ」
「うん!」
「ハルは今までもずっと全力で頑張ってきた。俺は本当にハルに助けてもらった。今の俺がいるのはハルのお蔭だと思ってる」
「碧樹…」
「だからさ、これからはもっと俺を頼って欲しい。なんでもするから傍に居させてほしい。俺がハルの足になるから」
なんて…今、なんて言ったの?
今の自分がいるのは、私のお蔭だって?
傍にいさせてって…碧樹が、私の足になるって…そう言ったの?
自分の耳が拾った言葉が信じられなくて、急速に熱くなってくる顔を見られたくなくて、私は俯いて黙り込んだ。
ドキドキする胸を押さえていると、心配した碧樹が顔を覗き込んできた。
「ハル?もしかして…泣いた?」
私はバッと顔を上げると、叫ぶように言った。
「泣いてない!」
泣いてはないけど、もう泣きそうだった。
とにかくこの顔を碧樹には見られたくない。
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