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話しながら大分歩いている。
そろそろ重くなってきただろうと思って聞くと
「ん?ちょうどいいよ」
という返事。
「何それ。重いって言ってもいいよ」
「重くはない。でもこれ以上軽いと心配になる。だからちょうどいい」
上手に切り返す碧樹に、ちょっと意地悪を言いたくなった。
「上手いこと言うなぁ。でもね、私これからどんどん重くなるから」
「え?それ何の宣言?」
「だってあんまり動けないのにいーっぱい食べるから、ぶくぶく太ってすごく重くなるよ」
「あはは。じゃあ俺はもっと体鍛えてムキムキになるよ」
「馬鹿だな、そんなことしなくていいんだよ」
「え?」
「碧樹は、私の事重いと思ったら、いつでもその場で下していいんだよ。ずっと背負って歩く必要なんてないんだからね。少しでも重いと思ったらすぐに下すって約束して」
これから先、ずっと私を背負って歩くと言って欲しくは無かった。
碧樹の重荷になるのだけは嫌だから。
私は一人だってちゃんと生きていけるよ。
自分なりの幸せを探して、生きていけるから。
だから少しでも重いと感じたら、すぐに下すと約束して。
そんな私の思いは届いたのかどうか…
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