第十四章 未来へ

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「おまえまじかよー、下砂浜だぞ」 「まだまだ!私の足になるんでしょ?」 この言葉に、一瞬碧樹の動きが止まった。 「私の足はこんなもんなの?もっともっと早く走れるよ!」 ついに碧樹に火を点けたらしい。 「よし、行くぞー!!」 と言うなり、全速力で駆け出した。 「いけー!!」 「うおー!!!」 すごい!まるで自分で走っているみたい。 碧樹にしがみつきながら、風を感じた。 けれど私が感じた疾走感はすぐに失速してしまう。 あれ?と思っていると碧樹は突然その場をぐるぐると回りはじめる。 「きゃー!!落ちるっ落ちるぅ」 「ほら、ちゃんとつかまってろって」 遠心力で振り回されそうになる私をおぶったまま、わざと波打ち際に行って水を跳ねさせて。 「きゃー!冷たいぃ」 と叫ぶと、またぐるぐる回る。 「もう酔うっ酔うからぁ」 「俺も目ぇ回ってきた」 「もう信じらんない、碧樹のばかぁ」 「あはははは」 笑いながら、砂浜で振り回されている。 見上げる空はどこまでも青くて、私の目にも眩しかった。
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