第一章 おはよう

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支度をして居間へ下りてきた碧樹が、おばあちゃんとトーストを食べている。 朝はあんまり食べられないらしい。 夜遅くまでゲームしてるから、寝不足になっちゃうんだよって、言いたい。 言いたいけどでも、そこは我慢する。 小言ばかり言いたくないし、ゲームは男子の間でコミュニケーションツールでもあるのを知っているから。 碧樹は友達を作るのが苦手だから、高校に入る時心配だった。 ゲームの話でもできれば、友達を作るきっかけになるかもしれないし。 でも朝ご飯の量を考えると、お弁当は少しボリュームが欲しい。 碧樹のお弁当を作るようになって、私はカロリー計算を勉強した。 「はい、碧樹お弁当」 さっき作ったお弁当を碧樹に渡す。 学校で渡すのは恥ずかしいので、毎朝ここで渡して、帰りにお弁当箱を返してもらうことにしている。 「サンキュー」 いつも通り受け取ると、自分のリュックに入れた。 おばあちゃんと少しおしゃべりをすると、もう出なきゃいけない時間だ。 私たちは江ノ電の駅に向かった。
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