2 天才イケメン高校生作家、バイトへ行く

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「愛読書や有名なセリフでもない限り、ある本に特定の文言が入ってるか否かなんて分かるか? お前は兄の本でも、何か文章言ったらそれが含まれてるか分かるかよ」 「分からない。つーか内容自体忘れた」  なんでうちの妹は兄にこんな厳しすぎるんだ。ひでえ。 「思い出したきゃ読むか、ヨリちゃん? ほれ、初版サイン本」 「前にサインしたからって事務所に置いとかないでください」 「じゃ、タイトルか登場人物名、決め台詞、話の舞台……」 「暗号が日本語とは限らないだろ。例えば数字とか……」  そこまで言って急いで本をひっくり返した。 「所長。被害者がどの本にするか選んでた時、裏表紙も見てました?」 「ああ。普通値段の確認くらいするだろ」 「ええ。ですが裏表紙に載ってる数字は値段だけじゃないですよね」  俺はISBNコードを指した。 「これが被害者の伝えたかった最後の情報ですよ。アジトの住所です」
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