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ホールにいる、朝比奈結奈さんが私を呼んだ。
急いで行くと、桑島さんが手招きをしていた。私はドキドキしながら駆け寄ると、画像で拝見したゆかりさんが桑島さんの後ろに隠れていた。
「ほら姉ちゃん、挨拶は?」と桑島さんが言うと、そっぽを向きながら「初めまして!桑島ゆかりです!好きな食べ物は、ナポリタンです!よろしくお願いします!」と元気良く、挨拶をしてくれた。
桑島さんが「恥ずかしいのかも?」と優しい口調で教えてくれた。
私も「紐尾陽奈乃です。えっと…いつも弟さんには、お世話になってます…よろしくお願いします」と緊張しながら挨拶をすると「はい、こちらこそよろしくお願いします!」と元気良くゆかりさんに挨拶をされた後手を差し伸ばされ、握手をした。
結構力が強くてビックリしていると「姉ちゃん、紐尾さんの手をゆっくり離してあげて?」と言うと、ゆっくり手を離した。
桑島さんが「痛くなかった?」と心配をしていると、館林さんがやってきて笑顔で「ようこそ♪いつものかな?」とゆかりさんに聞くと、にっこり笑うと大きな声で「いつものー!いつものください!」と喜んでいるように見えた。
桑島さんが「悪気はないんだ。ゴメンな?」と教えてくれたから、私は「大丈夫です!ビックリしたけれど…」と言うと、桑島さんが「姉貴、紐尾さんのこと気に入ったんだと思う。ありがとう」と笑顔で言ってくれた。
正直痛かったけれど、桑島さんの見たことのない笑顔で痛みが和らいだ。
私はお辞儀をし、厨房へと戻っていった。
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