【4】

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古式さんに「ナポリタン、メニューにないですよね?」と聞くと「うん、ゆかりちゃんだけの特別メニューだからね♪あっ、メモしておいて♪今度俺とと秋人と由美ちゃんが休みのときに、作ってもらうから♪」と言い、作り始めた。 私は必死にメモをとった。その様子を如月さんが優しく見守ってくれていた。 完成したのを朝比奈さんに渡すと、運ばれていった。 帰る時間になったので、如月さんと一緒に上がった。 ロッカールームで如月さんが「もしかして、桑島くんのこと好きなの?」とニコリと笑いながら聞いてきた。 私はギクッと思いながら「そっそんなことないですよっ!」と思い切り引きつった笑顔で答えると「ふふ。わかるわよ♪大丈夫。このことも、内緒にしておくから♪」と耳打ちしてきた。 如月さんには敵わない。 私は大きなため息をついて、頷いた。 如月さんは「やっぱりね♪桑島くん、モテるから気をつけなよー?」と言い、私の肩を軽く叩いた。 やっぱり桑島さん、モテるんだぁ… そうだよね。背が高くて、くっきり二重だし、切れ長の瞳だし、スタイリッシュでカッコイイもんな。 傷だらけの私なんか、目もくれないだろうなぁ… そんなことを思いながらタイムカードを打刻し、裏口へと向かった。
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