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帰りの車内で、如月さんが「ちょっとお話しがしたいから、お茶でもどお?」と誘ってきたから兄に帰りがちょっと遅くなるとメールをしておいた。 昔ながらの喫茶店に入ると如月さんはダージリンティーを頼み、私はホットココアを頼んだ。 私はいつになくドキドキしていると「私ね、桑島くんと付き合ってたの」と如月さんがいきなり言ってきた。 ビックリしていると「もうかれこれ6年前だけどね。でも桑島くん、ゆかちゃんのことが気掛かりだったみたいでさ結局別れちゃったけどね」と笑いながら、話をしてくれた。 「だから、陽奈乃ちゃん。頑張ってね!応援してる♪」と言うと、優しく微笑んだ。 私は「私は母親に虐待をされてきたから、桑島さんを支えられるか正直不安です…」と力なく呟くと、如月さんは少し咳払いをし、少し考えたあと口を開いた。 「ここから先私から聞いたっていうのは、誰にも言わないで?もちろん、桑島くんにも言わないで?約束出来る?」と今まで笑顔の如月さんの顔とは打って変わって、いつになく真剣な顔をしていた。 私も真剣な顔をし、ゆっくりと頷いた。
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