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桑島さんは、お姉さんのゆかりさんが重度の自閉症スペクトラムで介護要因として産まれてきた。
親は二人とも仲が悪く、いつも喧嘩はゆかりさんのことばかりだった。
そんな生活から逃げるように、ゆかりさんと一緒に暮らし始めた。
近所からも好機の目で見られたり、近所の子どもたちからからかわれたりしていて、役場の福祉科に相談をすると就労継続支援B型という作業所を紹介してもらい、更にはグループホームも紹介してもらって、月に一度とゆかりさんのお誕生日の日と年末年始は桑島さんが住んでいるアパートに帰ってきては、お祝いをしているとのことだった。
ゆかりさんはグループホームから作業所の往復生活をしていて、桑島さんは仕事が終わるとゆかりさんに必ず毎日会いに行っていると、如月さんは話してくれた。
ビックリしていると、如月さんは「桑島くんあんなぶっきらぼうな性格だけれど、誰よりも人の痛みをわかる人なのよ。だから、あなたのことも放っておけないんじゃないかな?」と言うと、ダージリンティーを飲んだ。
私は胸が苦しくなった。
桑島さんの力になりたいと、強くそう思った。
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