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改めて思い返しても、全く具体性の無い夢物語だ。最高議長様はプレゼンの能力が無いらしい。あれを聞いて感化されてしまう聴衆も聴衆だ。何も知らないというのは良いものだ。 誰も喋る者の居なくなった室内に、メドヴェーデヴァ班長がヒールの音を響かせながら入って来た。 「諸君。役目を果たす時が来た。円になれ、詳細を説明する。」 開口一番、班長は有無を言わさぬ口調で私達に命令した。 班長が手を翳すと、いつも使用している特大のオルタナティブが下の机から映写される。班長はその机に、手に持っていたチタン製アナログ式マイクロチップを無造作に差し込んだ。今では時代遅れのそのマイクロチップは、扱い辛いが頑丈なことで有名だった。それは、中身の情報は重要なものであることを表し、同時に、使用者は保守的な者であることを表す。 映し出されたのは競泳水着の様なスーツだ。ただし、関節部分にはプロテクター、頭にはヘルメットが付いている。まさにSF映画のそれだ。 「未だに放射能の蔓延るユーラシア大陸に、どう踏み込むか。これがその答えだ。」  班長は無表情のまま腕組みを解いた。     
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