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「還地調査班の皆さん初めまして。私は大河原繁樹、三菱総合マテリアル・プロセッション室の室長を務めています。」 赤い線で3D表示された、若干太り気味の小柄な男は頭を下げた。 「松下議長閣下から依頼されまして、この偉大なるプロジェクトをサポートさせて頂けることとなりました。弊社を代表してお礼を申し上げます。」 「こちらこそ。」 そう言って班長も日本式の礼を返す。私達もそれに倣った。 「私の今日の役目は、弊社の製品に命を預ける事になる皆様に、造った本人として、そして技術者の一人として、信頼を置いて頂けるようお願いする事。そして、このプロジェクトの根幹とも言うべき弊社の一番の発明を、直接説明させて頂く事です。」 オオカワラ氏が目くばせすると、班長は足元に置いていたスーツケースを開き、ゴルフボール程の大きさの青く光る直方体を取り出した。 3D体のオオカワラ氏はそれを誇らしげに一瞥すると、話し始めた。     
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