プロット3 戦う意味

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プロット3 戦う意味

それから6年…。 キルハンとリノは、スマイルがそうしていたように、銀河をめぐる旅をしていた。医者兼賞金稼ぎとして。 万物に宿るフェノメノンは、生物の体内では特殊な発展を遂げる。魂を包む、第二の、見えざるカラダ『盲体』だ。銀河社会における医学の進歩は、この盲体の研究によるところが大きい。またこれが異常を起こすこともあり、そういう時は専門の医者『フェノメノンドクター』が必要になる。更に、フェノモーフの定義とは、この盲体が発達し、特殊な進化を遂げた生物を指す言葉でもあるため、星間犯罪者相手に戦う時にも役立つのだ。 盲体は肉体同様複数の臓器の集まりであり、互いに自身の状態を伝え合う、ネットワークを持っている…などの知識は、全部スマイルたちから教わった知識だ。 そんなある日、キルハンは、あの事件の後かろうじて発見できたスマイルの遺品を整理していた。その時、遺品の一つの壊れたタブレットが何故か起動し、「アスト・オ・ブラスト」というワードを発見する。それは『星の海』とも呼ばれる幻の宙域の名前だった。気になりつつも、リノの催促で美食の星『ジルバクスゼイアン』にワープする二人だったが…。 時を同じくして、ナブカディアもまた、自身の部下にして密偵であるゼナード・メイヨー(本名ゼナード・マディエス)から『アスト・オ・ブラスト』のことを聞いていた。ゼナードは、アストの名をと出していた、自身が調査中の犯罪者グループの潜伏先と目されるジルバクスゼイアンに向かおうとするが、15歳の若さでスクワッドの予備隊員になっていたサプリーンも同星に訓練にいっていると聞きげんなりする。 実はゼナードは元星間犯罪者であり、罪の軽さから特赦で解放後、ナブカディアの部下になっていた。その時追加で、サプリーンの兄になれと言われていたのである。そしてもう一つ、彼はかつての連盟軍のエース、カルロス・マディエスの実子だったが、連盟軍を嫌うサプリーンの前でそれを言えるはずもなかった。何より、一人で勝手に傷つく傾向があるサプリーンを、彼は嫌っていた。 その頃ジルバでは、ゼナードが追う犯罪者グループにして彼の古巣である『ザスヌート一味』と、謎の男ニグレが対話を進めていた。アストに至る為の最終段階が整い、いよいよ自分の計画が成就すると語るニグレ。その手の中には、小人のような姿で眠る、星雲連盟代表デブリードマンその人がいた。
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