プロット1

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プロット1

万物に宿る神秘のエネルギー、フェノメノン。結晶のような構造を持つこれを操作すれば、有害物質を除去し、倒壊した建物をよみがえらせ、全治半年のやけども数秒で治ってしまう。環境問題も難病も無い、真の楽園が生まれると思っていた。 けれど、銀河の様々な星の、様々な支配種(ロード)達の中には、フェノメノンの影響で生物学も物理法則も超えた「フェノモーフ」となった種族もいて、彼らとの共存は困難を極めた。そして、そんな中、銀河は邪悪な存在の出現を許してしまう。 『星雲連盟』。その代表デブリードマンは、銀河を永きに渡り支配していた。しかし今はもういない。英雄ギネス・グリーゼによって連盟打倒を目指す反乱軍が生まれ、デブリードマンは滅びた。しかしそれから間もなく、ギネスを始めとする反乱軍の主要メンバー達は、消息を断ってしまった。新たに発足した組織『バルジ』のトップには、唯一残った反乱軍幹部エストラゴン・“ゴゴ”・カーデックスが就任。彼の口からギネスたちの死が告げられると共に、新時代構築の宣言がなされ、希望の朝が多くの星々に訪れることになった。 それから40年後。 ヒトびとは今や、かつての恐怖の時代から完全にときはなたれているようだ。電子マネーでお買い物をして、好きなだけ食べる。肥満なんてもはや死語。ごみは自宅で分子レベルで廃棄。そして休みには、家族みんなで軌道エレベーター上のアミューズメントパークで遊んだり、民間宇宙船で十数光年先の極寒の惑星でワープリゾートしたり…。 そんな銀河社会をかけまわる、賞金稼ぎ集団が一つ。その名も『スマイル軍』。率いるのは、星間犯罪者がこぞって会いたくない奴に挙げる、スマイル・クルーク。豪快で自由、何より情に厚い女賞金稼ぎだ。そしてその幹部たちも、強者揃いで有名だった。 でも彼らは、ただの賞金稼ぎじゃなかった。いく先々で遭遇する、知能は低いが強大な力を持つフェノモーフ『星間巨獣』や、貧困と戦争にあえぐ国。前者は退治し、後者に関しては支援したり、親のいない子供を引き取ったりするのだ。 どれほど豊かになっても、貧困や戦争は消えてくれない。それだけじゃない、巨獣や、近年多発するフェノメノン由来の災害と病気。まるでそれらは、「ヒトに災いは淘汰出来ない」と、銀河が叫んでいるようだ。多くのヒトびとが安心している裏で起きる事件に、彼らは彼らなりに向き合っていた。
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