プロット2 笑って生きてくれ

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プロット2 笑って生きてくれ

しかし、銀河社会が何もしていない訳じゃない。バルジは、スマイルたち同様に災害支援を行い、また銀河の秩序を守る番人というべき組織を置いていた。それが『コスモスクワッド』だ。ロードを含め有毒生物の宝庫であり、それ故に、住人たちの中から毒を悪用する星間犯罪者が生まれやすい環境であった惑星『ポワゾーン』で誕生したこの組織は、連盟との戦いの中で反乱軍に加わり、現在では銀河各地に支部を置く種族混成巨大組織となった。 そのメンバー、准特級隊員ナブカディア・ジフターは、ポワゾーンを統べる複数のロードの一つ『グスアターコ』。スカンク人間みたいな姿である。任務に励む一方、孤児であり種族の違う少女サプリーンを、養子として育てていた。 そんな、接点などなさそうな二者が、交わる時が訪れる。 荒野と森林がまばらに点在する惑星『サヌラピーギ』にて、補給がてら現地のロードである『ゼアラーの民』と交流していたスマイル軍の宇宙船が、突如謎の集団に急襲される。昆虫人系のロードの中でも最速と言われるゼアラーも加勢するがまるで敵わず、スマイル軍の猛者たちも有効打を与えられない。子供たちにまで魔の手が及ぶかと思われた時、怒りに震えるスマイルの猛攻が始まる。更にコスモスクワッドも要請を受けて駆けつけ、事態は終息に向かい始める。その時、目の無い異形系の男ニグレ・ビズーミーが現れ、戦況が変わってしまう。キルハンとリノの目の前で、宇宙船が炎に包まれ、子供たちも幹部たちも死んでいく。泣きながら助けを求める二人をナブカディアが救出、そしてまた任務に戻っていった。 ようやく全てが終わった時、ニグレは姿をくらませていて、宇宙船は見る影もなく崩壊していた。たった二人きりの生き残りとなり、ただ泣き続けるキルハン、リノ。そんな二人に、ナブカディアからスマイルの最期の言葉が伝えられる。 「あたしのお願い、聞いてくれるか?なら一つ約束してくれ。笑って生きてくれ。あたしらの仇とか討たなくていい。お前らはお前らの人生を生きろ!そうでなきゃ…勝手にノコノコ死んじまった上に、お前らの笑顔を奪っちまったら、死にきれねえからよォ…。」 全部聞き終えて、一緒に泣いてくれたナブカディアに感謝しつつ、二人は彼女の遺志に従って生きていくことを決意する。 一方、ナブカディアから話を聞いたサプリーンは、強い決意と共に、父親と同じ道を目指していく。
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