彼女の中の汚れた心

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12……… 俺は甘かったのかもしれない 今は目の前の彼女が好きだって ことでいっぱいで… どんなことでも 彼女のことを受け入れようと その時は考えていたし 受け入れられると思っていた 彼女のことなんて 何もわかっていなかったのに 俺はゆっくりと話し始めた 「過去のことを気にしないと言ったら 嘘になるけど、 今のユウカが俺は好きなんだ…」 彼女は迷っているようだ でも… 彼女からの言葉は 「ありがとう…イツキ。 …よろしくお願いします。」 嬉しい言葉だった 俺はガッツポーズをして 「ありがとう!」 と言い ユウカを思いっきり抱きしめた 今は嬉しさでいっぱいだ… 恋人になったら ユウカの過去のこと 知ることになるかもしれない… それでも…俺は受け止められる そう信じていた… 夕陽が海に移りオレンジ色に 染まり始めていた… 海を眺めていたら少し不安になってきた 俺はユウカとの座っている距離を縮めて 腰に腕を回し ユウカを抱き寄せた 「どうしたの?」 彼女が聞いてきた 「ユウカは 俺の前から消えないよな?」 「えっ?」 「あ、ごめん!」 俺もユウカに言っていないことがあった… それは今は言わなくていいと 思っていた ユウカ自身に関係ない話しだし 「大丈夫…私はずっと イツキと一緒にいるよ…」 ユウカが答えてくれた 俺は安心して ユウカにキスを… ドキドキした どっちのドキドキ? 何でそんなことを 思ったのだろう? 好きっていう気持ちと 彼女の過去のこと そして俺が話していないことなのか? 彼女を見ると 涙が溢れていた 「ユウカ?嫌だった?」 俺は彼女の涙を指で 拭いながら聞く 「違う…目に砂が入ったみたい…」 ユウカは笑顔で言う でも、その時は わからなかった 彼女の過去が 衝撃なことだったことを… 付き合ってくれるって言ってくれて 幸せいっぱいだった… ………
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