ラボットのケンジ ~ プロローグ

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4年前のケンジが未だ高2の時に、父親の事業経営していた会社が倒産して、負債を抱えたまま父親が失踪してしまった事を機に母親とケンジは夜逃げをした。大好きだった写真道具、現像の道具、印画紙へ焼き付け、引き伸ばしの道具一式、これらを捨てたも同然でそのまま引越ししたからだ、それか強制的退居と言うのが相応しいだろう。逃げるようにして出てきたから、最小限に必要なものしか持てず、数日後に取りに行こうと母親と住んでいた家を訪れたが、父親が会社の資金繰りで行き詰り、借金していた闇金融のヤツが既にケンジの自宅に居座り中に入れない状態だった、誰も居ない我が家の居間の電気が煌々と点いていた。 未成年のケンジでも、これだけは今まで生きた中でとても悔しい気持ちになった。 "なんでボクがこんな目に…"
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