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何度か通ってやっとヤツらの留守を狙って、大事な必要な物だけケンジは持って来られた、自分の家なのにコッソリと音も立てずに入り、泥棒をしているかの様な錯覚でドキドキしたしとても辛い経験だった。母親の物は、財布とバッグに衣服くらいでケンジの荷物を優先して運んでくれた。
母親の移動手段となるアシは原付バイクしか無い、これに積めるだけ積んで、載せられるだけ載せ、闇金のヤツらが居座る前に運び出してくれた。
片手に数えても余るくらいの往復でケンジの夜逃げは終わった。
残りの高校生活は、バラックの様な平屋の賃貸で過ごしていった。だいぶ住み慣れ生活にも慣れて無事に高校も卒業していった。
"行ってきまーす、
母さん?今日は新人歓迎会があるから帰りは遅くなるよー、んじゃぁねぇー"
就職も内定して居た矢先に、人生のドタバタを経験したケンジ。
大手企業請負の事務機器リース会社へ勤めて居た…しかし、ここでもまたドタバタと生活が狂っていく事になる。
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