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ーあの日、あの時鬼は、ヒトの中の鬼を見たー
「お願いします!柳生様!!死刑だけは!!!」
ボロボロの服を身につけた女性が額を地につけ頼み込んでいる先には、豪華な服を身にまとい、椅子に座っている中年の男がいた。
「夫はただ、怪我人を看病しただけです!!」
「"鬼"を看病したのだ。分かっているだろう。"人間"の称号を剥奪され、"鬼"と称された者に手を貸す者、関わる者は同類とみなし、死刑もしくは称号剥奪の刑に処すと。」
「命に関わる怪我だったんです!!鬼と言われても元は人間!!どうか見逃してください!!」
男はため息をつき
「終わりか?」
そして部下であろう者達に
「この女とその夫を反逆罪とし、死刑にせよ。斬首でもなんでも構わん。」
「!!お願いします!!!どうかお慈悲を!!!」
「おい、早くつまみ出せ。鬼の戯言は聞き飽きた。」
女性は数人に捕らえられ、部屋の外へ出された。
「先ほどの者の子供はどう致しましょう?」
「そうだな。全員"鬼"とみなし、奴隷にしておけ。子供は躾やすいからな。」
「承知致しました。」
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