第1章プロローグ

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~~~~~~ - 二日前 - 「山賊被害っすか……」 到着した男達旅人一行を出迎えた村の村長からこの村の抱える問題を聞かされた古心はそう呟く。 「えぇ…恐らく最近になってこの周辺をねぐらにした山賊団の一派によってこの村は荒らされておりまして…」 村長は困り果てた顔で話す。 どうやらその山賊団は能力者により固められた集団であり拠点を増やそうとしていたようで、流れつくままにこの村を囲う山々に新たな拠点を造った。 旅人や冒険者から身ぐるみを剥ぎ生活していたようだが、着々と増員する一派に金銭が追い付かなくなったのかこの小さな村に目をつけた。 山賊団は能力者による名ばかりの護衛という名目を村に押し付け、見返りに金銭や食糧を要求した。 辺境地であるこの村には若い男性はいない、皆成人すると共に王都での生活を夢見て出ていってしまっていたからだ。 更に辺境地には王都より派遣される駐在兵も存在していなかった。 定期的に派遣される兵はいたが、村に来る頻度は少ない。 山賊はそんな所にも目をつけたのだろう。     
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