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「じゃあセンパイやりま…」
「誰がやるかんな事面倒くせぇ」
そしてそれを打ち破るのもまた同一人物であるはずの男だった。
「やりてぇならてめぇらで勝手にやれ、俺は知らねぇ」
そう言い残して男はその場を後にする。
「ちょっ…センパイ!待ってくださいよ!」
後を追うのは女だけだった。
~~~~~~~~~
時は戻り現在……
「あれのどこがナナシでありますか」
「……」
「…う~ん…センパイは心を隠してるから上手く言えないけど…」
男を除く一行は再び宿に集まりこれからの事を話し合う。
山賊の問題は一向に進展せず二日目の夜を迎える。
「何となく…感じるだけ。きっとあの人も根っこはせんぱいと同じって」
「…俺は全くそうは思わんがな、まぁどっちでも良い。ナナシさんの想いを継いで『願いの少女』を助けた後は俺もエルフ達とナナシさんを元に戻す方法を探す。あの男とはそれまでの付き合いだ」
「私もでありますが…当面は山賊の根城を探す事に集中するであります」
「うちも…住民達に聞いて回ったでございますが…何も手掛かりは無いでございます…」
う~ん…あのセンパイ嫌われてるなぁ…でもあれじゃあ仕方ないかと嘆息する古心。
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