第3話 懸念

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「更にあの女はこうも言ったであります、『少女が本気で願う事が能力を発動させる第一の条件』と。ナナシに聞いた話では願いの少女は争いを好む性格ではないと」 「故に力づくで少女に願いを叶えさせるのは不可能、つまり今は小康状態であります」 「成程な、しかし島にも同じような能力を持った人間がいるかもしれん」 「私の知る限りではそのような能力を持つ者はいないはずであります、私は三年前に『十七人目』として島から出たでありますが…その時点での話ではありますが」 「…つまり、少しなら時間は残ってるって事?」 「…少なくとも修行の時間もない程切迫した状況ではないと思うであります」 「ならば決まりだな、このまま向かってもナナシさん以外は全滅する可能性は高い。当面の間は資金稼ぎを兼ねた個々の成長が必要だ」 「そうでございますね、更に欲を言えば他に協力者でも見つかればいいのでございましょうが…」 「そうだよね、アイっちがいない今傷を回復してくれるのはセンパイしかいないし…センパイは単独で先行とかしちゃいそうだからね」 「確かにな、しかし悪魔島に乗り込むなんて事に協力するやつはいないだろう」 「まぁ…そうだよね。よし!早速明日から皆で修行しよう!皆で能力の共有もすれば動き易いかもだし!しゃんちーの能力とか私知らないしね!センパイも付き合ってくださいよ!」     
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