第1章プロローグ

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女の名前は古心(こころ)。 『命名研究機関』という研究所の元職員。 事情により研究所を辞め、今繋がっている男と行動を共にしている。 その研究所はとある騒動により事実上解体したので女の居場所は男の隣しかなかった…そうしたのは女自身ではあるのだが。 女は幼い頃両親を殺され…その復讐の為に生きてきた。 復讐相手の名は…大能力者と呼ばれ帝国の皇帝でもある『全能』という男。 そう、女の両親と住んでいた村は全能により滅ぼされた。 故に女は復讐を選ぶ、目的は全能の殺害。 至極明快なありふれた物語。 被害者の思いは計り知れないが。 「ほら、こころっ…中に出すぞ」 「あっ!えっ?な…中ですかっ!?センパっ!だ、だめでっ!あっ!あっ!イっちゃいますセンパいっっ!あぁぁぁっ!!」 女は復讐心を燃やす最中、男に出逢った。 圧倒的な力を持ち…それなのに誰よりも優しい…皆の事をいつも考えてくれる…理想的な男に。 女は当初男を利用しようと目論んだ。 優しかった男はそれも全部わかって女に約束してくれた。 必ず全能を倒すと。 その想いを女は感じる事ができた。 態度や言葉などの曖昧なものではなく、その心で。 故に女は少し心変わりした、復讐心に関しては一切風化してはいない。     
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