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「いらん、貴様が変身するのはナナさんではないのだろう」
「あぁ、ナナはナナシの命とセットだからな。今はなれねぇよ」
傭兵が惚れたのはこの男の以前の姿…優しい男の変身した女の姿だった。
より詳細を記すと膨大な記述になってしまう為…ここでは割愛する。
「だったら余計に用など無い!消えろ!」
「んだよ、つれねぇなぁ」
そう言ってつまらなそうに男は去った。
「………」
「あ、あの……よろしいのでございましょうか…?」びくびく…
「何がだ?」
傭兵に後ろからおどおどとした態度で話しかけてきたのは人魚族の『しゃんつぉーね』。
今は人間の姿ではあるがれっきとした人魚。
そう、人魚種・魚人種・獣人などの種族は人間の姿にもなれる。
人身売買にかけられそうになり拐われた所を男の一行に助けられて以来…恩を返すため男達に同行している。
弱気でおどおどしているが、意外に図々しい一面を持つ。
「協力を求めなくて…でございます…丸二日間進展はないでございますが…」
「いらん、それにあの男は協力する気などまるでないだろう」
一行がこの村に物資補給の為立ち寄ったのは二日前。
一行本来の目的の為長居をするつもりはなかったのだが…一見平和そうに見えるこの村もこの世界の理による問題を多分に漏れず抱えていた。
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