あらすじ

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 地上から屋根上まで、街を縦横無尽に駆け巡るレース、ランナーズ杯。参加するのは誰でも簡単。ホバーシューズにホバーボード。とにかく疾走する手段があればOK。時田ソースケはそんなランナーズ杯に魅了された少年のひとりだ。ソースケの家は代々ピザ屋であり、早くに母を亡くした事からいつもソースケは店を手伝わされている。ソースケはプロのランナーズレーサーになる事で家から飛び出したいと考えていた。  そしてレースに出場する日がやって来た。レースで出会った犬飼カマセとともに町内予選を通過。そして本戦で優勝を決め、ソースケはプロのランナーズレーサーへと繋がるシーズンレースに参加できることになる。  だが、それは始まりに過ぎなかった。  シーズンレースは何度も行われ、レースに勝利するとシューズやボードを強化するカスタムパーツがもらえる。カスタムパーツを使用することでレースを有利に進める事ができるのだが、このパーツにはとある噂があった。  それはパーツを全て集めたその時、理想郷への扉が開かれるというもの。理想郷へ行った者は帰ってこない、帰ってきてもその詳細を語ろうとしない。だから噂でしかない。  どうやら参加レーサーにはソースケのようにプロを目指す者もいれば、理想郷のために走る者もいるようで、ソースケは勝利と敗北を繰り返し、その度にシューズを強化していく。理想郷を目指す者の理由は、勉強から逃げたいとか、死んだ友人に会いに行きたいなど実に様々。  しかし、先にパーツを集めたのはソースケだった。パーツを集めて超光速で走るソースケに待ち受けていたのは、なんと過去の世界。  そう、理想郷とはパーツの力で光速を越えタイムスリップをする事だったのだ。  まだ母が生きていた頃の父の言葉から、初めは父もピザ屋で終える人生が嫌だったことを知る。  父の想いを知ったソースケは自分の世界へと戻り、ピザ屋とレースの二足のわらじを目指す事に決めるのだった。
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