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〇とあるマンション・外観
四階建てのどこにでもある佇まい。
〇同・内
玄関にチャイムが鳴り響く。
斎藤(20代後半)が来て、
斎藤「はーい」
と、ドアを開ける。
ドアが開くとそこには、ソースケが立っている。
ソースケ「斎藤リョウタさん、ですね」
斎藤「(不信そうに)そ、そうだけど……」
ソースケ、背中に手を回す。
斎藤「!」
そして、次の瞬間――
ソースケ「(カラッと)どうも、テンカウント・ピザで~す。配達に参りました!」
満面の営業スマイル。
ソースケ「ご注文のSサイズですね」
と、ピザを手渡す。
ソースケ「出来立てアツアツですので」
斎藤「……あ、どうも」
ソースケ「毎度ありがとうございます!」
ソースケは一礼。
タイトル『ランナーズ・ハイ』
〇上羽町・歩道
を走るソースケ。
ソースケ「いいぜ早いぞ。へへ、絶好調のソースケ君。今日も配達時間更新です!」
車道を見ると、数十メートルは続く渋滞が起きている。
車は進む様子はない。
そんな渋滞に巻き込まれた一台のトラック。
運転手「進まんなぁ」
助手席「ええ」
その時、外から激しいモーター音が聞こえてくる。
外を見る運転手と助手席の男。
ソースケ「お先に失礼!」
シュン、とソースケが一瞬で通り過ぎる。
助手席「なんだありゃ」
運転手「ランナーズだ」
助手席「ランナーズ?」
運転手「ああいう靴とかボードを使って、走り回る連中の事さ」
助手席「なるほど。そういえばテレビで見た事ありますね。確か街でレースをしてたよう
な」
運転手「ランナーズは、市街地をコースにレースをするのが一般的だ。だがしかし、レー
スに限らず出前に使う店もある」
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