第1話

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〇とあるマンション・外観    四階建てのどこにでもある佇まい。 〇同・内    玄関にチャイムが鳴り響く。    斎藤(20代後半)が来て、 斎藤「はーい」    と、ドアを開ける。    ドアが開くとそこには、ソースケが立っている。 ソースケ「斎藤リョウタさん、ですね」 斎藤「(不信そうに)そ、そうだけど……」    ソースケ、背中に手を回す。 斎藤「!」    そして、次の瞬間―― ソースケ「(カラッと)どうも、テンカウント・ピザで~す。配達に参りました!」    満面の営業スマイル。 ソースケ「ご注文のSサイズですね」    と、ピザを手渡す。 ソースケ「出来立てアツアツですので」 斎藤「……あ、どうも」 ソースケ「毎度ありがとうございます!」    ソースケは一礼。 タイトル『ランナーズ・ハイ』 〇上羽町・歩道    を走るソースケ。 ソースケ「いいぜ早いぞ。へへ、絶好調のソースケ君。今日も配達時間更新です!」    車道を見ると、数十メートルは続く渋滞が起きている。    車は進む様子はない。    そんな渋滞に巻き込まれた一台のトラック。 運転手「進まんなぁ」 助手席「ええ」    その時、外から激しいモーター音が聞こえてくる。    外を見る運転手と助手席の男。 ソースケ「お先に失礼!」    シュン、とソースケが一瞬で通り過ぎる。 助手席「なんだありゃ」 運転手「ランナーズだ」 助手席「ランナーズ?」 運転手「ああいう靴とかボードを使って、走り回る連中の事さ」 助手席「なるほど。そういえばテレビで見た事ありますね。確か街でレースをしてたよう な」 運転手「ランナーズは、市街地をコースにレースをするのが一般的だ。だがしかし、レー スに限らず出前に使う店もある」
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