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「田嶋!今日、俺の家に来いよ。新しいゲーム買ったんだ」と、悠太が言った。
「悪りぃ。今日は、委員会あるから、パスするわ。」俺がそう言った。
俺は、田嶋湊。高1で、友達がたくさんいて、毎日、楽しい日々を過ごしていた。
ちなみに、俺は図書委員だ。一番、楽な委員会を選んだ。
俺にとっては、まだ恋なんて知らなかった。あの子に逢うまでは。
(やばい。委員会に遅れる!)
「きゃ!」
俺は、全力で図書室に向かって走っていたせいか、曲がり角で女子とぶつかってしまった。
二つ結びで、目が大きく、ふわふわしたオーラの子だった。
「ごめん。大丈夫?」
俺が彼女に聞くと、「大丈夫です。」と言って、彼女は立とうとした。
「痛っ」
彼女は俺とぶつかった時に、足を怪我したみたいだ。
「ごめん、保健室に行こう。」
俺は、とっさに、しゃがんでおんぶ体勢になった。
「だ、大丈夫ですから!一人で、保健室行けますし。」
「立てないのに、どうやって?」俺は、彼女に聞いた。
「うっ、それは、えっと…」
「すみません。連れて言ってください」
彼女はそう言って、俺におんぶされて、保健室に行った。
『 … 』
「そういえば、自己紹介まだだったね」沈黙を、破ったのは俺だった。
「俺は、田嶋湊、一年C組。君は?」
「白星まやか、一年A組です」
「同い年なんだ」
そう言っている間に、保健室に着いた。俺は、彼女を降ろした。
「ありがとう、田嶋くん 」
彼女は、笑顔でそう言った。俺は、何故か、心臓の鼓動が速くなった。
俺は、彼女に「またな」と言って廊下に出ると、ストンと座り込み、右手で何故か口を抑えた。この時は、この感情が何かはまだ分からなかった。ただ、心臓が痛くてたまらなかった。
そして、それと同時に何かを忘れている気がした。記憶を戻してみると、
「しまった!委員会、忘れてた??」
そして、俺はその気持ちをほって置いて、また走り出した。
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