プロローグ①少女を拾う

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「朦朧としてたけど、自分でここまで来たんだよ。覚えてる?騒がれると困るのはこっちも一緒。帰りたいなら出ていって。鍵は開いてる。行くところがないなら、静かにして。わかる?」  少女は驚いた表情で黙って縦に首を振り、それを見てルカもゆっくり手を離したが、それらを見ていたミキが一番驚いていた。 「お前、何すんのかと思った。」 「平日の昼間なら誰も居ないだろうけど、日曜はまだ寝てる人がいるかもしんないし。」 「いや、そういう事じゃないし。」  ルカは水を入れたグラスを少女に手渡した。少女はそれを受けとるが、うつむき加減にグラスを見つめるだけだった。ルカがグラスを取り上げ、一口飲んで再び渡すと、少女も同じように飲んだ。 「連絡したいところがあれば使って。迎えが必要なら、来てもらっていい。場所が分からなかったら代わるから。」  と言って、ルカがケータイを差し出した。少女はルカのスマートフォンを受け取ると、マップアプリを開いて現在地を確認した。周辺の地図を確認していると、腹の鳴る音がした。 「腹も減るよね。」  ルカはダイニングに向かった。 「自炊って何作ってんの?」  レトルトを温める準備を始めたルカにミキが聞いた。 「適当。一応、牛乳、卵、肉類は買うようにしてる。」 「魚とナッツ類と葉酸が含まれる野菜類、ベリーなんかあれば脳には良いかもね。あと、チョコレート!」     
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