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「……時々、外に出るの。バイブレーションも鳴らないけど、誰かと連絡取ってるみたいだし……何か怪しい……。」
「ああ、それ、俺かも。起こさないように気を遣ってるだけだと思うよ。」
「本当に?」
「ホント、ホント、全然気にする事じゃない。」
「……あの人、身元不明遺体から行方不明者にはなれるって言ったんですよ。酷くないですか?」
ミキはアリスの言葉に苦笑しながら、根気よく答えていた。
「そこ、結構大事よ?今は警察に探して貰う事も出来るんだから。拉致って言われちゃうから、向こうも手ぇ出して来れなくなったでしょ?うまく逆手に取ったもんだよ。誰もあっちゃんの関係者だって証明出来ないからね。言葉は選べよと思うけどさ。」
むくれるアリスを可愛らしげに見守りながら、ミキが話を変えた。
「木の実茹でた?」
「茹・で・ま・し・た!あんなに色んな物が出てくるとは思わなかったのよ。ヤモリとカナヘビは捕まえたらいけないんでしょ。蝉はうるさいってわかるけど、どうしてトンボも部屋に放したらいけないの?」
「ルカ、なんつってた?」
「……餌がないから。」
「俺もそう思うよ。ザリガニは許してくれたんでしょ?スズメバチの樹脂埋め標本も作ってくれたじゃん。」
「あれは窓開けたら勝手に入ってきちゃったの。」
「下手に追い出そうとしなくて良かったよ。相当ビビっただろうけどね。爬虫類とか好き?」
「訪ねて来てくれるのあの子達だけだし、何て言うか……こう、見てるとゾクゾクしないですか?」
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