君と僕の間には①すれ違い

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 9月3日 土曜日 「ちょっと出掛けてくる。」  ルカは目を覚ましたばかりのアリスに声を掛けたが、身支度を整え終えてコーヒーをすするルカを見て、アリスがぼやいた。 「今日お休みじゃないんですか?」 「……所長代理に会ってくる。」  代理の話はミキからよく聞く話だっただけに、アリスはあまりよい気持ちはしなかった。 「……女の人?」 「……何もないよ。」 「本当に?」 「そんなの、向こうも覚えてないよ。」 「そんなの……覚えてない……。」  言って、ルカも一番言ってはいけない事を言ったと気付いたが、遅かった。 「いや……そういう時もあるの、大人の事情で……。」 「どうせ私は子供ですよ!」  ルカがアリスを捕まえようとして、アリスに振り払われた。 「触らないで!帰ればいいんでしょ?10時までには帰ります。探 さ な い で。」  アリスが支度を始め、ルカより先に家を出てしまった。
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