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君と僕の間には②信じていたいだけなのに
ルカが職場に着いて、三階の事務所にあがると、雑務に追われる代理が目に入った。扉をノックして、
「はーざいます。今よろしいですか?小春代理。」
と、ルカが声を掛けると、代理が顔をあげた。
「あれ?今日、出勤だっけ?」
「いえ、折り入って話があって……。」
「何、改まって。辞めたくなった?」
「そういう訳じゃないですけど……。ただ、ちょっと急いでて……。」
「……下降りようか。」
代理はルカを喫煙室に誘った。中二階の喫煙室に入り、代理がルカに煙草を勧めると、ルカは素直に受け取り、貰い火でふかしはじめた。
「で?なんかあった?」
代理の言葉に、ルカは深いため息のように、ゆっくり煙を吐き出して、口を開いた。
「急な話でなんなんですけど……。」
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