君と僕の間には②信じていたいだけなのに

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***  アリスは中央公園でベンチに佇む江崎玲於奈像と握手をして散歩する朝永振一郎像が連れている猫に挨拶をすると居合わせた位置情報ゲーム中の人に話し掛け、隣に座って雑談に興じていた。そのうち、ゲーマーに別れを告げると、駅構内のコーヒーショップに立ち寄り、仕事中らしき男性のテーブルに相席をお願いして、会話を楽しみ始めた。 「お仕事されてる姿って魅力的ですね。」 「オジサンからかってるの?」  電車の待ち時間にコーヒーを買いに来たミキが、朝からパパ活かよと思いながら後ろを振り向くと、声の主は紛れもなくアリスだった。目立たないようにカウンターの端に座り、ミキは様子をうかがった。最初は戸惑っていたサラリーマン風の男性も、にこやかに話すアリスのペースに飲まれ、次第に打ち解けてきた所で、アリスは憂鬱な顔をした。 「彼の気持ちがわからないの。あなたみたいに何でも話せたら良いのに……。」 「……疲れたんだね。少し、休憩する?話聞くよ。」  アリスは促されるままに男性について行こうとした。さすがにマズいと思ったミキがルカに電話を掛けるが、電源が入っていないか電波の届かない所に居るというガイダンスが流れた。 「あいつ、何やってんだよ!」  アリスが店の境界を出ようとした所で、ミキがアリスの腕を掴み、男性に声を掛けた。 「ちょっとすいません、この子、知り合いで……その……年齢聞いたらお兄さん、びっくりして逃げると思うんですけど、どうします?」
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