君と僕の間には②信じていたいだけなのに

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*** 「私は反対だなあ。君、何から何まで中途半端になっちゃう。学業、投げすぎだよ。ちょっとした試練になるけど、最後までやってみる気はない?私はそれを勧めるよ。まぁ……相手が何て言うかだけどね……。」 「仕事辞める気がある訳じゃないですけど、一応、転職も考えてて……。」  代理が引き留めようとするが、ルカも引かない構えで話は平行線だった。 「勉強してる?」 「一発試験で取ったら、それでかえられませんかね?」 「……無理だね。資格手当は出るけど、給与には学歴も考慮される。頭が中卒の技術士補なんて誰も思わないけど、いちいち試されるのも面倒だろ?規定を変えることが急務になることは無いから、みんな及び腰になって話は進まないし、長い目で見たら大損する。今捨てたら何にもならないよ。今の君には届かない言葉かも知れないけどさ。」 「あんまり負担かけたくないんですよ。」 「……まず、相談してみたら?それからにしよう。」  ルカの独断での決定を避けるように、代理が話を切り上げた。
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