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「ちょっとした違和感とか、何か嗅ぎ付けられるから、連絡されたくないならホント気を付けた方がいい。これから一人で暮らす覚悟があるなら、善人以上の善人じゃないと連れ戻されかねない。人が集まる所って他にどこがあるかなあ。」
「学校、病院、空港、駅、ショッピングモール、お祭り、公園……?」
二人の会話を聞いていた少女が反応した。
「学校……行ってみたいです。」
「何で?つか無理。今日、日曜だし。」
「お前の学校、開いてるんじゃないの?」
ルカは何処に通っていたか尋ねてみようかと思ったが、しゃべるようになってきたので、身元を特定するような質問を回避しようと思った。
「俺達、元々同じ高校にいたんだけど、俺だけ途中で通信に編入したんだ。週一から通学出来るから、平日は働きながらでも卒業できる。俺は家を出たかったから、親父が死んだとき、働くことを決めて通信に移ったんだけど。学校行ってる?」
少女は首を横に振った。
「そっか。取り敢えず、靴は必要だよ。金がないならかなり歩くことになるから。」
三人はクレオスクエアのABC-MARTに寄り、ルカはミキに財布を渡して少女の靴選びをミキに任せ、店の外で自分の通う高校に見学が可能か電話で問い合わせた。
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