プロローグ①少女を拾う

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プロローグ①少女を拾う

 2013年10月6日 日曜日 午後12時 「今日、学校じゃなかったの?」  開いている玄関の扉にノックしながら顔を覗かせたミキは、ダイニングの先にある開かれた引き戸の向こう側にもう一人居る事に気付き、普段とは違う雰囲気を感じて入室を躊躇ためらった。部屋にいたルカは目を向けずに指先を上に向けてミキに手招きした。 「いいよ。入ったら閉めて。」 「彼女?」  ルカはベッドのすぐ脇にあるデスクチェアに腰かけ、片膝を抱いたまま、ミキの問いかけに答えることなく、ベッドに横たわる少女に目を落としていた。 「入れよ。」  ルカに促され、ミキが部屋にあがるとルカは玄関を閉めに向かったが、鍵はかけなかった。なんとなく、ミキにもルカの警戒心が伝わってきた。 「今朝、そこでさ……。」  ルカは住んでいるアパートの駐輪場を指し示すように指を下に向けながら話し始めた。  家を出たら自分の原付にもたれかかっている少女がいた。話し掛けづらい雰囲気で、歩きで行こうかと思ったが、授業に間に合わないので迷っている時に、ミキから掛かってきた電話に出ようとした瞬間、少女に手を掴まれたと次第を説明した。     
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