#2『公園掃除』

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公園に着いたら、一緒に掃除当番に入っている2年の女の子がすでに来ていた。 「あ、小山さん? 私、一緒にお当番担当の帰宅部、菊池梨愛ですぅ、よろしくね!」  帰宅部が、まるで正式な部活であるかのような言い方をされちゃってるけど、そんなくくりで一緒にされても困る。 「ねぇねぇ、前にみんなでここの掃除に来た時って、あっちのほうやったっけ? やってなかったよね、ちょっと行ってみない?」  そんなことを言いながら、勝手に行ってしまうから、私も黙ってついて行かざるをえない。 「あーほらやっぱり! こっちの方は、あんまり目立たないから、ゴミとがたまっちゃてるよねー」  彼女は一人で勝手にしゃべりながら、掃除を続けている。私はただ彼女につき合い続けて、差し出したちりとりに入ったゴミを袋に移しかえた。 「きれいになったねー、帰ろ!」  私が来て5分も経ってない、確かに目立つようなゴミはなけど、そんな簡単に帰っちゃっていいのかな?  そう思いながらも、さっさと帰ろうとする彼女について元の場所に戻ると、そこには立木先輩が来ていた。 「えぇ、もう終わったの? 早いね!」 「超余裕ですぅ~」  そう言って彼女は、彼の腕に一瞬だけ手をおいた。立木先輩はそのことを、全く気にもとめてないみたい。 「先輩、今日の当番、入ってなかったですよね」  割り振られた当番表は、平の総務委員名しか載っていなくて、立木先輩が来るとは思っていなかった。 「うん、名簿には載せてないけど、役員は来られる時は来ようっていう話しになってたから。それに、今日は初日だったしね」  にっこりと笑う立木先輩の笑顔は、もうそれだけで私の中にある嫌なことの、何もかもを吹き飛ばしてしまいそうな破壊力がある。 「きゃー、先輩が来てくれて、うれしー!」  彼女はまた、先輩に抱きついた。 「もう掃除終わったの?」 「はい! 私が全部やっときました!」  ビシッっとそう言い切られると、ちょっとエッ? ってなるけど、まぁ彼女の言ってることに間違いはないのかもしれない。 彼女がいつからここに来ていたのかは知らないけど、少なくとも私より早かったのは確かだ。 「小山さんも、お疲れさま」  立木先輩が、そうやって微笑みかけてくれたから、私はとりあえず黙ることにした。
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