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「と、とにかく、順番だけはちゃんと決めようよ、私、最初と最後は絶対イヤ!」
「私も!」
柴田さんの突然に発言に、私も慌てて賛同して、二人で手を握り合う。津田くんは笑った。
「5人しかいないのに、それはムリくない?」
奈月と市ノ瀬くんも加わった。
「走る順番だよね」
「隣の4組は、全員男子の運動部だったよ」
「マジか、本気だな」
「え? うちらも、本気出すの?」
「やるからには、負けたくなくない?」
「このメンツで?」
「そういう問題じゃない」
「いやいや、ムリでしょ」
「ベストは尽くそう」
津田くんが言ったら、市ノ瀬くんも同調した。
「やれるだけの努力はしようよ」
奈月も同じ。
「一番盛り上がる競技だし、点数高いよ?」
「これだから運動部は……」
うつむいた私の肩を、なぐさめるように津田くんがぽんと手を置いた。
「大丈夫、俺たちが二人の分も、走ってやるから」
思わず彼を見上げた。多分、いまの私の顔は赤い。
「ヤダ、津田くんカッコいい~!」
それに奈月が笑ったら、急に照れ始めた津田くんは、もじもじとして困ったようだ。
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